インプラントを断念していたケース サイナスリフト
インプラントは現在、抜歯後の欠損処置として非常に有効な治療のひとつになりました。
しかし、インプラントの埋入部位には、インプラントを安定させるための骨が必要です。
今回は、骨がないためにインプラントを断念していたケースのご紹介します。
歯を抜歯すると、周りの骨は吸収を起こしていきます。特に上顎大臼歯部はその上に上顎洞(サイナス)という空洞があるため、抜歯後骨が吸収し上顎洞までの骨の厚みが薄くなります。
向かって左上の奥歯の部位が抜歯後骨が吸収している状態です。
骨が薄い場合、インプラントを安定させるための骨を増やす必要があります。
この上顎洞までの骨を増やす方法を、上顎洞挙上術(サイナスリフト・ソケットリフト)といいます。
通常、インプラントを埋入する部位の歯槽骨から上顎洞粘膜(シュナイダー膜)までの骨の厚みが5㎜以下の場合はサイナスリフト、5㎜以上の場合はソケットリフトという術式で十分な厚みの骨を作っていきます。
今回のケースは抜歯後10年以上経過しており、骨の厚みが1~2㎜だったために、サイナスリフトを選択しました。
サイナスリフトは上顎洞の側方から開洞し、シュナイダー膜を破らないように注意して骨から剥離していきます。
その骨とシュナイダー膜との間に、他部位から採取した自家骨や、人工骨を填入して上顎洞を挙上します。
上の写真を見比べて頂くと、真ん中の写真は円の中が白い顆粒で満たされているのがわかると思います。
ここから挙上した部位の骨が安定するまで、4〜6ヶ月待ちインプラントを埋入していきます。
サイナスリフトは2・3日は必ず腫れますし、場合によっては内出血により出血斑が出ることもあります。しかし、上顎洞までの骨が薄い場合、治療期間はかかりますが、現在では確立された治療方法です。
医療法人港成会は、CTやガイドソフト(ノーベルクリニシャン)を用いたシュミレーションにより、しっかり診断し治療計画をたてていきます。
インプラントの治療相談は無料で行っております。
骨が少なくインプラントを断念された方、お気軽にご相談ください。